シーバスの入門ロッドとして発売されているシマノさんの「23ディアルーナ」。
23ディアルーナは番手が多くて選択肢が豊富なのは魅力ですが、はじめてシーバスロッドを購入する方からすると、どれを選べばいいのかわかない方も多いはずです。
結論として、23ディアルーナS100Mははじめてシーバスロッドを買う方におすすめです。ランカーシーバスを何本も上げているので、スペック的には何も問題はありません。
「堤防での青物やサーフでのヒラメも狙いたい」というように、様々な魚種を狙いたい方や狙う魚種がまだ定まっていない方の入門ロッドとしても使うことができるでしょう。
この記事では2010年に発売された初代ディアルーナから使用している筆者が23ディアルーナS100Mをインプレしていきます。はじめてシーバスロッドを購入する方の参考になれば幸いです。
はじめに結論から言うと、23ディアルーナS100Mはこんな人におすすめです。
MLクラスのロッドは小さいルアーから重量のあるルアーまでキャストできるので、シーバス釣りにおいて汎用性が高いのが魅力です。一方で、Mクラスの23ディアルーナS100Mは38gまでキャストできるので、青物やヒラメなどの様々な魚種が狙いやすいのが魅力です。
23ディアルーナS100mとは?基本スペック
品番 | S100M |
全長 | 10’0″ 3.05メートル |
継ぎ方式 | 逆並継 |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 155.9cm |
自重 | 168g |
先径 | 1.7mm |
ジグウェイト | MAX45g |
プラグウェイト | 7〜38g |
適合ラインPE | 0.8〜2号 |
グリップタイプ | カーボンモノコック |
リールシート位置 | 420mm |
リールシートタイプ | UPLOCK |
カーボン含有率 | 99.7% |
本体価格 | 33,000円 |
23ディアールーナS100Mはシマノさんが販売しているおかっぱり用のシーバスロッドです。
10フィート(3メートル)という長さは、シーバスロッドの中でも長い部類に入ります。
23ディアールーナS100Mの自重や投げられるルアーなどを解説していきます。
スパイラルX
23ディアルーナには「スパイラルX」という構造が組み込まれています。「スパイラルX」とはロッド縦繊維の内層と外層に、カーボンテープをそれぞれ逆方向斜めに蜜巻きした三層構造のことを言います。
内層と外層に逆方向斜めに蜜巻きした三層構造により、軽さを維持しながら、高いネジリ剛性とつぶれ剛性を実現しているのが特徴です。
ハイパワーX
23ディアルーナには「ハイパワーX」という機構が組み込まれています。「ハイパワーX」とはブランクスの最外層にカーボンテープを巻き付けたことで、ネジレを抑制する強化構造のことです。
内層と外層に逆方向斜めに蜜巻きした三層構造の「スパイラルX」により高いネジリ剛性とつぶれ剛性を実現しているのに加えて、最外層にカーボンテープを巻き付けることでさらにロッドのネジレを補強していることがわかりますね。
タフテック ※S86L-Sのみ
23ディアルーナのS86L-Sという番手には「タフテック」という機構が搭載されています。
「タフテック」とは素材の配合と製法を見直すことで、従来にない強さを与えられたカーボンソリッド穂先のことです。23ディアルーナは「S86L-S」という番手だけ竿の穂先がソリッドティップになっているので、バチ抜けのショートバイトでもフッキングしやすい構造になっているんですね。
長年シーバスを追い求めると、シーバスは捕食しているベイトによって吸い込む力を変えていることがわかります。バチ抜けなどの遊泳力のないベイトを捕食している時は吸い込む力が弱いので、ロッドに伝わる当たりも弱いことがあるんです。
その点、23ディアルーナの「S86L-S」は高感度なソリッドティップが搭載されているので、遊泳力のないベイトを捕食している時の弱い当たりもしっかりとフッキングしやすくなっています。
バチ抜けや小さいルアーの操作に特化したロッドを探している方は、ソリッドティップが搭載された23ディルーナの「S86L-S」という番手がおすすめです。
カーボンモノコックグリップ
23ディアルーナには「カーボンモノコックグリップ」というのが搭載されています。前回モデルの「18ディアルーナ」と「23ディアルーナ」の大きな違いは、カーボンモノコックグリップにあります。
「カーボンモノコックグリップ」とはリアグリップをカーボン一体成型で中空構造化することで、水中の変化や魚のバイトなどを感知しやすくなっています。
これまで魚のバイトは竿先で取るものだと思っていましたが、カーボンモノコックグリップが搭載された23ディアルーナを使用すると、当たりは脇で取るものだと実感できました。
23ディアルーナはリーズナブルな価格なだけでなく、脇で当たりを取るという感覚を得やすい「カーボンモノコックグリップ」が搭載されているという点でも初心者におすすめのロッドです。
「カーボンモノコックグリップ」と従来のEVAグリップを比較してみて思うことは、割れる可能性があるという点です。中空構造なので強い衝撃を与えると割れそうな雰囲気がありますが、今のことろ割れずに使用できています。
パーフェクションシートXT
23ディアルーナには「パーフェクションシートXT」という機構が搭載されています。
「パーフェクションシートXT」とは段差をできるだけ無くして軽い力でも握りやすい形状を追求したリールシートのことです。高いホールド力だけでなく、自重の軽量化にも貢献しているそうです。
ロッドの自重は168g
23ディアルーナS100Mの自重は168gです。
10フィートあるMクラスのシーバスロッドと比較すると以下になります。
ロッド(10ft) | 自重 | ルアーウェイト | 価格 |
---|---|---|---|
ディアルーナS100M | 168g | プラグ:7〜38g ジグ:〜45g | 33,000円 |
ルナミス | 156g | プラグ:7〜35g ジグ:〜45g | 53,600円 |
エクスセンス ∞ | 140g | 6〜40g | 85,000円 |
ラテオ | 150g | 10〜50g | 31,200円 |
ラブラックス AGS | 156g | 10〜50g | 53,100円 |
上記のように、23ディアルーナS100Mの自重168gは、10フィートあるシーバスロッドの中でも自重が重たいことがわかります。ダイワさんから発売されている同じ価格帯の「ラテオ100M」と比べると、ディアルーナは自重が8gも重たくなります。
一方で、ディルーナよりもワンランク上の価格帯になる「ルナミス」「ラブラックス AGS」と比べると、自重が2gしか変わらないのも事実です。性能面で優れている部分もありますが、価格は約2倍近いのにほぼ自重はほぼ変わらないんです。
最終的にタックルが軽いと感じるかはバランスによって異なるので一概には言えませんが、23ディアルーナS100Mは自重が168gもあるので、同じ10フィートあるロッドの中でも重たい部類に入ります。
ルアーウェイトは7〜38gまで対応
23ディアルーナS100Mはプラグは38g、ジグは45gまでキャストすることができます。投げやすいルアーウェイトはMAXの半分ぐらいなので、20g前後のルアーがキャストしやすい印象です。
河口などの水深の浅いシャローエリアであれば15〜20gまでのルアーがあれば十分ですが、沖堤防や防波堤などの水深があるエリアではボトムに沈めるために30g以上のルアーを使用することがあります。
デイゲームではボトムにいるシーバスの目の前にルアーを通してリアクションで食わせるのがメインになってくるので、重量のある鉄板バイブレーションやワームを多用します。
MLクラスのディアルーナは28gまでキャストできるので、鉄板バイブレーションなどの30g近いルアーも投げることは可能です。ただし、鉄板バイブレーションは手元に伝わる引き抵抗が強いので、MLクラスの柔らかいロッドで長時間使用すると疲れてくることがあります。
その点、23ディアルーナS100Mは38gのルアーまでキャストできるように固めに作られているので、鉄板バイブレーションなどの引き抵抗が強いルアーの疲労を軽減してくれます。
あくまでMクラスのロッドのほうが固いので、引き抵抗による疲労が少し軽減される程度です。どれだけ固いロッドを使用しても、全く疲れないということはありません。
また、キャストしやすいルアーの重量が20g前後なので、12cmクラスのミノーやシンキングペンシルが飛ばしやすいようにも設計されています。20gぐらいのルアーを使用するのがメインの方や、沖堤防などの水深の深いエリアで鉄板バイブレーションやワームを使用したい方におすすめです。
23ディアルーナS100Mのインプレ:良かった点
23ディアルーナS100Mにはどういったデメリットがあるのでしょうか?
実際に使用してみて感じた23ディアルーナS100Mのデメリットは以下になります。
- ロッドが長く小場所で使いにくい
- 仕舞寸法が長く車に積みにくい
23ディアルーナS100Mのデメリットについて紹介していきます。
ロッドが長くて小場所で使いにくい
23ディアルーナS100Mは10フィート(約3メートル)もあるので、川幅の狭いポイントでは使いにくいというデメリットがあります。他にも、ロッドを後ろに振りかぶるほどの場所がないようなポイントでも使いにくいと感じることが多々あります。
シーバス釣りをはじめた頃は川幅が広いオープンエリアで釣りをすることが多かったので、23ディアルーナS100Mはとても使いやすいロッドでした。現在は川幅の狭い小場所にも行くようになったので、長くて使いにくいと感じる場面も出てきています。
川幅の狭いポイントでは、自分の真下にシーバスがいることがあります。10フィート(約3メートル)もあるようなロッドでは、ルアーの浮き上がりが早いので狙いにくいことがあります。
ルアーの浮き上がりが早い場合は足場を後ろに下げることで対策できますが、後ろに障害物があるようなエリアで後ろに下がるとキャストしにくくなるということも…。
ただし、10フィート(約3メートル)でロッドが長いからといって使えないことはないのも事実です。10フィート(約3メートル)よりも短いロッドで飛距離を出すことはできませんが、長いロッドを小場所で使うのは工夫すればいけなくもないので、大は小を兼ねるという考え方もできます。
仕舞寸法が長く車に積みにくい
23ディアルーナS100Mは仕舞寸法が約160センチもあるので、車種によっては車に積みにくいというデメリットがあります。
軽自動車の後部座席をフラットにして積む場合は、車種によって入らないことがあるので注意が必要です。軽自動車に23ディアルーナS100Mを積みたい方は、上部にロッドを収納できる車用ロッドホルダーを使用するのがおすすめです。
23ディアルーナS100Mは仕舞寸法が約160センチもあるので、車に積んで釣り場に向かう予定の方は事前に収納スペースを確認しておきましょう。仕舞寸法が約160センチの23ディアルーナS100Mが積めない方は、短い番手にすることも検討してみてくださいね。
23ディアルーナS96Mであれば仕舞寸法が約148センチなので、軽自動車でも積みやすく飛距離もさほど変わらない点ではおすすめです。9.6フィートのシーバスロッドは汎用性の高いロッドでもあります。
カーボンで出来たロッドはシャー芯を太くしたような材質なので、扱い方を間違えるとすぐに折れてしまいます。ロッドが折れる時は釣りで使用している時よりも、移動中の転倒や車のドアで挟むようなトラブルのほうが多いイメージです。
シーバス釣りをこれからはじめる初心者からすると、2万以上するロッドは高く感じますよね。
ロッドで大金を出費したことで、他の備品を安く済ませてしまいがちですが、ロッドが折れると本末転倒なので、多少の出費を増やしてでも移動中に折らない対策を考えておくのがおすすめです。
23ディアルーナS100mのインプレ:悪かった点
23ディアルーナS100Mにはどういったメリットがあるのでしょうか?
実際に使用してみて感じた23ディアルーナS100Mのメリットは以下になります。
- ランカーサイズも問題なく上げられる
- 他の人が届かないところまでキャストできる
- 堤防からの青物にも最適なスペック
- サーフでのヒラメ釣りにも使える
23ディアルーナS100Mのメリットについて紹介していきます。
ランカーサイズも問題なく上げられる
ある程度シーバスが釣れるようになってくると、80cm以上のランカーサイズが掛かることもあります。せっかくのランカーシーバスをロッドのスペックが低いせいで、釣れなかったら後悔しますよね。
その点、23ディアルーナS100Mはランカーシーバスも問題なく上げられるというメリットがあります。実際に3本ほどランカーシーバスをかけていますが、全てランディングできています。
23ディアルーナS100MはMクラスの硬いシーバスロッドなので、ランカーでもファイトしやすいのが要因です。他にも、長さが10フィート(約3メートル)あるのも、余裕を持ってファイトできる要因です。
他の人が届かないところまでキャストできる
一般的に汎用性の高いとされるシーバスロッドは長さは9.6フィートです。
実際に9.6フィートのシーバスロッドは飛距離も申し分なくて使いやすいのも事実です。
ただし、汎用性の高い96フィートのロッドは23ディアルーナS100Mよりも約7cmほど短いので、数センチ〜数メートルの差ではありますが、飛距離で負けてしまうことがあります。
シーバスアングラーが5〜10m間隔にいるような激戦区のポイントで釣りをする場合、遠くのボイルや橋脚のヨレに数センチ届かないだけで釣果が変わるようなこともあるんです。
シーバスロッドは数センチ長くなるだけで飛距離も変わってくるので、背後に障害物がないようなオープンエリアでは汎用性の高い9.6フィートのロッドよりも有利に立ち回れることがあります。
さらに飛距離を出しやすい11フィートのロッドもありますが、30cmも長くなると使用感が大幅に変わってきます。その点、23ディアルーナS100Mは約7cm長いだけなので、使用感はさほど変わらずに9.6フィートのロッドよりも飛距離を出せるのが魅力です。
23ディアルーナS100Mは9.6フィートのシーバスロッドとほぼ同じ使用感で、他の人が届かないところまでキャストできるというメリットがあります。
堤防からの青物にも最適なスペック
23ディアルーナS100Mはシーバス用のロッドですが、青物にも最適なスペックでもあります。35cmぐらいのワカシ(ツバス)サイズであれば、余裕を持って堤防から抜き上げることができています。
23ディアルーナS100Mは38gまでキャストできるので、小さめのダイビングペンシルや早巻きができるヘビーシンペンなども扱いやすくなっています。他にも、ジグはMAX45gまでキャストできるので、風や波が強い日にも釣りを成立させることもできます。
ショアジギングロッドは磯での無理なファイトでの使用も考えられているので、頑丈に作られているかわりに重量が重たくて1日使うには慣れるまで時間がかかります。ガイドはシングルフットではなく、ダブルフットになっているなどの理由で重量が重たくなっています。
シマノさんから発売されいてる23ディアルーナと同じ価格帯のショアジギングロッド「コルトスナイパーBB」の100Mは266gもあるので自重が100g近く重くなるんです。
その点、23ディアルーナS100Mは自重が168gで38gまでのルアーがキャストできるので、1日使っていも疲れにくいので足場の高い堤防で青物を狙うのに最適なスペックになります。23ディアルーナS100Mはシーバスと兼用で青物も狙いたい方にもおすすめです。
サーフでのヒラメ釣りにも使える
23ディアルーナS100Mはサーフから狙うヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュにも最適です。
サーフでの釣りは少しでも飛距離を伸ばして遠くのブレイクまでキャストすることが釣果のカギになることがあります。むしろ10フィートのロッドでも短いこともあります。
サーフでヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュだけを狙うのであれば、さらに長い10.6〜11フィートのロッドを使用するほうが飛距離も出て釣りやすくなる可能性があるのも事実です。
あくまで河川のオープンエリアでのシーバスとサーフのヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュを兼用で狙いたい方におすすめです。
23ディアルーナS100Mにおすすめのリールは?
23ディアルーナにおすすめのリールはどれなのでしょうか…?
23ディアルーナS100Mでシーバスだけを狙いたい方は「ストラディック4000MHG」がおすすめです。ハンドル1回転で93cm巻けるので、ノーマルギアとXGの中間ぐらいの巻上量がスローな釣りと早巻きの釣りをバランスよく兼用できます。
「ストラディック4000MHG」などのルアー釣りで使えるリールは、購入するpeラインの太さによってスプールに下糸を巻いて調節する必要があります。はじめてリールを購入をする方からすると、スプールに何メートルの下糸を巻けばいいのかわからないですよね…。
その点、「ストラディック4000MHG」はスプールが浅く設計されているので、1.5号200mのラインを下糸なしで巻けるのも魅力です。1.5号200mのラインを通販で購入したら、そのままリールに巻くだけで釣りをすることができます。
ヒラメや青物も狙うならXG
「シーバスだけでなくヒラメや青物も狙いたい」という方は、MHGよりもさらにハンドル1回転の巻上量が多い「ストラディック4000XG」がおすすめです。XGであればルアーの早巻きができるので、遊泳能力の高い青物に見切られる確率が減ります。
ルアーをキャストした後にナブラが発生した際に、素早くピックアップして投げ直すことができるのもXGの魅力です。XGはシーバスでも問題なく使えるので、狙う魚種でギアを選ぶのがおすすめです。
23ディアルーナS100Mのインプレまとめ
23ディアルーナS100Mのインプレをまとめると以下になります。
- デイゲームで使用する頻度が高い
- 川幅の広いオープンエリアがメイン
- 堤防での青物でも使用したい
- 河川だけでなくサーフでも使いたい
ディアルーナS100Mは38gまでルアーをキャストできるので、鉄板バイブレーションやワームなどの重量が重たいルアーをボトムまで落として早巻きで狙うのが一般的なデイゲームにおすすめです。
ロッドの長さが10フィート(3メートル)もあるので、一般的な長さの9.6フィートのロッドを使用している人よりも飛距離を出しやすいので、川幅の広いオープンエリアでもおすすめです。
他にも、シーバス釣りだけでなく、足場の高い堤防で青物も狙いたい方やサーフでヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュも狙いたい方にもおすすめできるロッドです。
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