リップレスミノーの元祖TKLM12が9cmになった「TKLM90」。
TKLM90は今でもシーバスが釣れるルアーなのでしょうか?
結論として、TKLM90は今でもシーバスが釣れるルアーです。
実際にTKLM90でシーバスを釣った筆者がインプレしていきます。
これからTKLM90を買おうか迷っている人の参考になれば幸いです。
TKLM90とは?基本スペック
Length (全長) | 90mm |
Weight (重量) | 11g |
Type (タイプ) | フローティング |
Depth (レンジ) | 40cm |
Hook (フック) | ST-46#4 |
Price (定価) | 1,900円(税込) |
TKLM90はタックルハウスさんが販売しているリップレスミノーです。製造されたのが2001年なので、発売されてから20年以上の歴史があります。
今では定番ルアーの1つになっているリップレスミノーは、TKLM90よりもサイズが大きいTKLM12/18が元祖です。TKLMが開発されていなければ、リップレスミノーという概念がなかったかもしれないと思うと感慨深いですね。
TKLM90の正式名称である「TKLM9/11」は左側の数字がルアーのサイズ(9cm)、右側が重量(11g)になっています。つまり、「TKLM8/9.5」はワンサイズ小さい8cm9.5gということです。
レンジ
TKLM90の潜航レンジはMAX40cmです。タックルによって異なりますが、普通に巻いていると10〜20cmぐらいのレンジを泳いでくることが多いです。
近年発売されているカゲロウ124Fなどのシャローランナーと比べると、レンジは少しだけ下がるので、手元まで浮き上がらずに引いて来れるイメージがあります。
一方で、カゲロウ124Fのような表層直下を引いて来れるルアーのほうが釣れることもあるので、レンジが入るTKLM90と使い分けると釣果UPに繋がるかもしれません。
飛距離
TKLM90はマグネット重心移動が搭載されているので、サイズの割には飛距離は出ます。
キャストするとマグネットが移動する「カチン」という音が出て思ったよりも飛んでくれます。ただし、最新の重心移動システムが搭載されているルアーと比べると、飛距離は少しだけ劣るイメージです…。
TKLM90は川幅の狭い小規模河川で使用することが多いので、個人的にあまり飛距離を求めていません。TKLM90ではキャストしたいところまで届かない時は別のルアーを使いましょう。
TKLM90の使い方は?
TKLM90はどういった使い方があるのでしょうか?
TKLM90は主に3つ使い方があります。
- リトリーブスピード
- ドリフト
- トゥイッチ
TKLM90の使い方について詳しく説明していきます。
リトリーブスピード
TKLMのリトリーブスピードは、その日の流速やポイントで釣れる速度が変わるので、何秒に何回転などは一概に言えないのが実情です。
ルアーのリトリーブスピードは水圧を重たく感じるけど、あまりルアーが動いていない速度が製作者の意図する速度だと言われています。使用するタックルにもよりますがTKLM90は1秒1回転よりも少し早いぐらい(0.8秒に1回転ぐらい)が釣れるイメージです。
近年発売されている潜航レンジが0〜30cmぐらいのミノーよりも、巻き速度を少し早めるほうが流れのヨレでフラついて食わせの間を作ってくれる印象があります。最終的には流速やポイントで変わるので、自分で釣り場に行って釣れるリトリーブスピードを見つけてみてくださいね。
ドリフト
TKLM90はドリフトでの釣りでも釣果を出せるルアーです。ただし、リトリーブスピードと同様に流速やポイントによって流し方が変わってくるので、あくまで個人的な感想になる点はご了承ください。
TKLM90をドリフトで流す時はアップクロスにキャストして、ルアーの頭が下流側に向いている状態で糸フケを取るように巻いていきます。アップから巻いて平行になって、ルアーが方向転換するタイミングで食ってくるイメージです。
アップクロスにキャストして糸ふけを取る程度で流しても釣れない時は、ラインの重みを少し感じるぐらいのリトリーブスピードで巻くこともあります。流速が早い時はすぐにダウンクロスまで流されてしまうので、ラインの重みを感じるぐらいの速度で流す釣りを多用することもあります。
トゥイッチ
TKLM90はトゥイッチすると、キビキビと左右に飛ぶようなアクションをします。
結論から言うと、筆者はTKLM90のトゥイッチで釣ったことはありません。護岸側にキャストしてトゥイッチして、岸際に追い込まれたベイトを意識すれば釣果が望めるかもしれません。
ただし、TKLM90のフローティングでトゥイッチをしていると、ルアーが浮き上がってきやすいので、足場の近くでアクションするのが難しいことがあります。トゥイッチで釣ることを目的にTKLM90を購入するであれば、サスペンドタイプとシンキングタイプがおすすめです。
TKLM90のインプレ
実際に使ってみてわかったTKLM90のインプレは以下になります。
- フックサイズが大きい
- 耐久性が高くて割れない
TKLM90のインプレについて詳しく紹介していきます。
フックサイズが大きい
TKLM90と同じサイズの9cm台のミノーは#6のフックが搭載されているのが基本です。
#6のルアーでランカーサイズのシーバスをかけると、フックが曲がっていることがあります。フックが曲がったことで、大きなシーバスを逃すのは悔しくなりますよね。
ランカーシーバスに備えて大きなフックをつけることもできますが、フックサイズを大きくするとアクションに変わるだけでなく、レンジが変わることも…。
その点、TKLM90にはST-46#4のフックが装着されているので、不意に大きなシーバスが来ても無理なファイトをしなければフックが曲がりにくいのがメリットです。ただし、いくら大きなフックを搭載しても、フッキングが悪いと曲がることがあるのは注意が必要です。
純正フックが錆びてフックを交換したい方はがまかつさんのSP-MH#4がおすすめです。SP-MHフックは大きな魚がかかっても伸びにくく、超防錆ハイパーシールドによりサビにも強いです。
購入時のルアーに装着されている純正フックが伸びてしまったり、錆びてしまったりした時は、がまかつさんのMHシリーズに交換しています。
耐久性が高くて割れない
近年発売されている「シーバスが釣れると評判のルアー」の中には、橋脚に1回ぶつけただけでリップやボディが割れてしまうものがあります。耐久性を犠牲にしたことで泳ぎが良くなっている部分もあるとは思いますが、耐久性はあるに越したことがありません。
その点、TKLM90は多少橋脚にぶつけても、割れないほどの高い耐久性があります。多少ぶつけても割れないということは、橋脚の明暗を強引に攻めることができます。TKLM90は橋脚や護岸側などのストラクチャーを攻める釣りにおすすめのルアーです。
TKLM90には貫通ワイヤーも搭載されているので、ファイト中にルアーが割れてしまっても魚を連れてきてくれるのも魅力的です。
TKLMシリーズのラインナップ
TKLMにはサイズ違いや重さの違う様々なラインナップがあります。
TKLM90以外のラインナップは以下になります。
- TKLM”8/9.5″
- TKLM”9/12.5″SP
- TKLM”9/14″SW
- TKLM”12/18″
- TKLM140G
TKLM90のシリーズにはサスペンドやシンキングモデルもあります。
他にも、8・12・14cmのサイズが違うTKLMも販売されています。
TKLMシリーズのラインナップについて詳しく紹介していきますね。
TKLM”8/9.5″
Length (全長) | 80mm |
Weight (重量) | 9.5g |
Type (タイプ) | フローティング |
Depth (レンジ) | 60cm |
Hook (フック) | ST-46#5 |
Price (定価) | 1,900円(税込) |
TKLM”8/9.5″はTKLM90よりもワンサイズ小さい8cmのルアーです。海水ではフローティング、淡水では沈み気味のサスペンドの設定になっています。浮力の設定を利用して汽水域を見つけるセンサーとしての役割を担っています。
ルアーのサイズに対して大物のシーバスがかかることを見据えているので、フックはST-46の#5を装着。スプリッドリングは2番と3番の間の#2.5という特注品が装着されているので、リングを交換する際はタックルハウスさんの公式サイトから購入しましょう。
TKLM”8/9.5″はワンサイズ小さくて9.5gしかないので、Mクラスよりも上のロッドで扱うのが難しい印象です。一方で、TKLM90は9cmに対して11gもあるので、Mクラスのロッドでもギリギリ扱えるのも魅力です。
TKLM90よりもワンサイズ小さい「TKLM”8/9.5″」はベイトが小さい春〜夏頃に重宝するルアーです。ボラの稚魚「ハク」などのマイクロベイトパターンで使用したい方におすすめです。
TKLM”9/12.5″SP(サスペンド)
Length (全長) | 90mm |
Weight (重量) | 12.5g |
Type (タイプ) | サスペンド |
Depth (レンジ) | 40cm |
Hook (フック) | ST-46TN#4 |
Price (定価) | 2,050円(税込) |
TKLM”9/12.5″SPは浮き沈みせずに水中で止まるサスペンドモデルのルアーです。TKLMならではの低速域でのアクションだけでなく、ストップ&ゴーなどの使い方もできます。
TKLM”9/12.5″SPはシーバスに吸い込まれやすいので、エラを傷つけるという理由から発売を見送っていたそうです。丸呑みするほどの強烈なバイトが出ると考えると使ってみたくなりますが、しっかり蘇生してリリースできるように気をつけたいところです。
TKLM”9/12.5″SPには丸呑みされてもすぐにフックが外せるように、カエシのないバーブレスフックが装着されています。漁獲量が増えて数が減っているシーバスに配慮しているのも好印象なルアーです。
TKLM”9/14″SW(シンキングワークス)
Length (全長) | 90mm |
Weight (重量) | 14g |
Type (タイプ) | シンキング |
Depth (レンジ) | 40cm |
Hook (フック) | ST-46#4 |
Price (定価) | 2,050円(税込) |
TKLM”9/14″SWは従来のTKLMに+3gのウェイトを加えたシンキングチューンのルアーです。名前の後ろについているSWは「シンキングワークス」の略になります。+3gのウェイトでシンキングになったことで、飛距離や操作性がアップしています。
シンキングのルアーは風の日に重宝しますが、リップレスミノーのシンキングモデルはあまり販売されていないので、どうしてもリップ付きのミノーに頼りがちです。リップレスミノーのアクションはそのままで、風の日に使えるのは魅力的です。
TKLM”12/18″
Length (全長) | 120mm |
Weight (重量) | 18g |
Type (タイプ) | フローティング |
Depth (レンジ) | 50cm |
Hook (フック) | ST-46#3 |
Price (定価) | 2,150円(税込) |
TKLM”12/18″はTKLM90よりも3cmほど大きい12cmサイズのルアーです。ボディが大型化によりアピール力が向上したことで、アクションのスライド幅をショートにしてスレにくく設計されています。浮力を下げることで、浮き上がり速度を遅くして一定のレンジにとどまるようになっています。
シーバスはルアーのレンジにシビアな魚なので、一定のレンジにとどまってくれるのは釣果UPに繋がることがあります。12cm18gというスタンダードなルアーのサイズは、タックルを自由に選べるのも魅力的ですね。
TKLM140G
Length (全長) | 140mm |
Weight (重量) | 38g |
Type (タイプ) | フローティング |
Depth (レンジ) | — |
Hook (フック) | ST-46#1 |
Price (定価) | 3,100円(税込) |
TKLM140GはTKLM90よりも2サイズ大きくなった14cm38gのルアーです。着水から泳ぎが安定するまでの泳ぎ出しがスピーディーになるK-TEN Gシステムが搭載されています。
TKLM90のインプレまとめ
TKLMのインプレをまとめると以下になります。
- レンジは10〜20cmぐらい
- 飛距離はサイズの割に飛ぶ
- 巻き速度は少し早い印象
- ドリフトやトゥイッチも有効
- 純正のフックサイズが大きい
- 橋脚にぶつけても割れにくい
TKLM90は発売されてから20年以上も経っていますが、今でも使えるルアーです。
TKLMシリーズを使ったことがない方は、TKLM90から使ってみるのがおすすめです。
この記事のTKLM90のインプレを参考にしてシーバスが釣れれば幸いです。
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